アクタージュ:第45話「幕間」
※2018年12月10日発売週刊少年ジャンプ掲載
この記事にはネタバレが含まれておりますのでご注意ください
『では、僕たちはここで降ります。さようなら』
景はアキラに「ありがとう」と声をかける。
「…こちらこそ」
暗転し、アキラと七生の出番が終わる。
客席からパラパラと拍手が起こる中、15分間の休憩に入る。
アキラの役柄について、観客は良い反応ではなかったが、関係者たちは泥臭い役柄も見事にこなしたアキラに興味を抱いたようだった。
アキラを主役俳優として育ててきたアリサ。脇役の道があるなんて考えてもみなかった…と想いを馳せる。
舞台裏では、アキラが「ちゃんと演技ができなかった」と亀太郎たちに謝っていた。
そんなアキラの両頬を勢いよく手で挟み込む亀太郎。
「最高にダサかったぜアキラ。忘れんなよ、その感覚」
アキラの演技について盛り上がる劇団員たち。すると阿良也が口を挟む。
「俺は、一目見てそいつの人となりを知った気になるきらいがある。悪い癖だ」
「君の芝居は本当に素晴らしかった。ありがとう…星アキラ」
その頃、黒山は巌の病室で過去を振り返っていた。
『いつまで星アリサの幻影を追ってる』
劇団を見学に来た黒山に、そう声をかける巌。
そんな役者には二度と出会えないという巌に、「見つけたらあんたに紹介してやってもいいぜ」と黒山。
そんな出来事があった一月後、黒山はオーディションで景と出会ったのだった。
「巌さん…夜凪はどうだった?…いい役者になるだろ?」
ベッドに横たわる巌に語り掛ける黒山。
その時、眠り続けていた巌の目が開き、口を動かす。
(行け)
声は出ていなかったが、黒山にははっきり聞こえた。
黒山はふたたび目を閉じた巌に「…そうだな。悪かった」と呟き、病室を出て行く。
舞台裏で集中力を高める阿良也。椅子に座って微動だにしない彼を見てアキラたちは心配するが、景もまた同じように集中していた。
(彼女に関してはずっとカムパネルラのままだ…)
あとは見守るしかない、とアキラに告げる亀太郎。
「この幕間が終われば最終幕だ。ジョバンニとカムパネルラの…最後の旅路だからな」
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