約束のネバーランド:第120話「形のない怪物」あらすじ
※2019年1月28日発売週刊少年ジャンプ掲載
この記事にはネタバレが含まれておりますのでご注意ください
「鬼とは何なのか?」
ノーマンからそう問われたエマたち。答えに困っていると、ノーマンが静かに話し始める。
「奴らはヒトを食べなければあの姿も形も保てない…形のない怪物なんだよ」
鬼の最初の姿は誰も知らないが、おそらくは細菌のようなものだった。そして、細菌と同じく「遺伝子の水平伝播」によって進化しているのだ。
遺伝子の水平伝播とは、他の生物の遺伝子を取り込むこと。”彼ら”は食べた物の遺伝子を取り込み、その形質を受け継いでいたのだった。
様々な形へ進化した中で、いつしか”彼ら”はヒトを食べた。そして、高度な知能を手にいれた”彼ら”はヒトを超えて人間の天敵となった。
人間は”彼ら”を畏れ、「鬼・怪物・悪魔・神」など、様々な名で呼んだ。
しかし、速すぎる進化の代償として、食べ続けなければ形質を保っていられないという欠点があった。ゆえに、鬼たちは農園を作ってまで人間を食べ続けているのだった。
ノーマンの話を聞いて驚きを隠せないエマたち。
レイは、単細胞生物ならともかく、これだけ複雑な生物となってもなお遺伝子の組み換えが可能なことが信じられないと疑問を投げかける。
それを聞いたノーマンは「確かに脅威だが、良くも悪くもすぐに遺伝情報が書き換わる不安定な生き物だ」と告げ、「農園を潰せばいずれ鬼は滅ぶ」と断言する。
すでに粗悪な量産肉を食べている下級の鬼たちの形質保持能力は弱まっていて、半年もヒトを食べなければ知恵を失う個体が出てくるだろうと話すノーマンに、「農園をすべて潰すなんてできるの?」と問うエマたち。
「できるよ」
ノーマンはエマたちを救ったザジについて話し始める。
ザジはラムダの実験によって誕生した副産物だった。ラムダでは5つの鬼の貴族とラートリー家によって、多種多様な高級肉や、質の良い量産肉をあらゆる手段で生み出すことを研究していた。
「繰り返される投薬と実験、品種改良…その過程で筋肉や神経系・感覚などにおいて異常な発達や変則的成長を見せる個体が次々と発生した」
その中の1個体がザジで、ハヤトやジンもまた、ラムダの系列農園で生まれた者たちだった。
「この力を鍛えれば、鬼にも勝る戦力になる。皮肉にもすべて鬼がくれたんだ。ぼくらの知恵同様にね」
ノーマンはザジたちのような力を持った”イレギュラー”を確保するため、ラムダとその系列の農園を真っ先に襲った。
ラムダの檻の中で、エマの言葉を思い出すノーマン。
「ないならつくろうよ。変えようよ、世界」
エマならきっと、家族みんなで笑って暮らせる未来を目指すだろう。そのために、自分たちだけではなく、全食用児を救う道を進むだろう。
そう考えて行動してきたノーマン。
策はすでにある。武器戦力など準備はできている。
人間の世界に逃げるよりも、未来永劫最も確実で安全に、すべての食用児たちを救える方法。
「鬼は滅ぼす。絶滅させる」
大人になれない世界(ネバーランド)はもう終わり。
「鬼の世界にぼくらの楽園を築こう」
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