鬼滅の刃:第135話「悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)」
※2018年11月19日発売週刊少年ジャンプ51号掲載
この記事にはネタバレが含まれておりますのでご注意ください
玄弥から教わった”反復動作”について考える炭次郎。
反復動作は全ての感覚を一気に開く技で、全集中とは違うため呼吸を使えない玄弥にもできる。
玄弥と岩柱である悲鳴嶼は、これを使うとき痛みや怒りの記憶を思い出す。
それによって心拍と体温を上昇させていると聞いた炭次郎。そして、玄弥から痣の出現はその状態と同じではないのかと言われるが、悲鳴嶼にも玄弥にも痣が出ていないことから、他に理由があるのかと思案する。
炭次郎は教わった反復動作を試してみる。
まずは大切な人たちの顔を思い浮かべ、煉獄に言われた「心を燃やせ」という言葉を思い出す。
こうして極限まで集中力を高めてから全力で岩を押す。
何度も何度も繰り返して行っているうちに、岩を動かすことができるようになった。
その姿を見た伊之助と善逸は驚く。
「天ぷら!天ぷら!猪突ゥ!猛進!!」
炭次郎に感化された伊之助もまた、岩を押せるようになる。
あとは自分だけ…と焦る善逸のもとに、すずめが手紙を届けにやってくる。
なんとか一町分岩を押した炭次郎。しかし、脱水症状になり動けない。そこへ悲鳴嶼が現れ、炭次郎に水を飲ませる。
「南無阿弥陀仏…」
涙を流し、お経を唱える悲鳴嶼に
(えっ俺死んじゃった…?)
と思うが、動けるようになり生きてることに安堵する炭次郎。
訓練を終えたことのほか、里での正しい行動から「君を認める」と悲鳴嶼。
刀鍛冶の里で、妹の命より里の人間の命を優先したこと。
それを正しき行動だと言い、剣士の鑑だと褒めたたえる悲鳴嶼。
しかし、炭次郎は
「決断したのは禰豆子であって俺ではありません」
自分は決断できずにおり、危うく里の人々が死ぬところだったといい、認められても困ると告げる。
それを聞いた悲鳴嶼は、子どもは純粋無垢ですぐ嘘をつく我欲の塊なのに、炭次郎にはそれがないと感じる。
そして、「誰が何と言おうと私は君を認める」と告げ、なぜかと問う炭次郎に自らの経験を話す。
悲鳴嶼は昔、寺で身寄りのない子どもたちの世話をしていた。
血のつながりはないが、本当の家族のように過ごしていた。
ところがある夜、言いつけを守らず遅くまで出かけ、鬼と遭遇したある子どもが、自分が助かるために寺にいる子どもたちと悲鳴嶼を鬼に差し出したのだった。
鬼を手引きした子どものせいで4人がすぐに殺され、残った4人のうち3人は悲鳴嶼の言うことを聞かなかった。
当時の自分はやせ細っていて気が弱く、目も見えていなかったため、何の役にもたたないと判断されたのだろうと話す悲鳴嶼。
逃げた3人も鬼に殺され、残ったのは一番小さい沙代ひとり。
なんとしても沙代は救わなければと思った悲鳴嶼は、力の限り戦った。
夜が明けるまで鬼の頭を殴り潰し続け、沙代を守った悲鳴嶼だったが、沙代は駆けつけた者たちに「悲鳴嶼がみんなを殺した」と言ったのだった。
恐ろしい目に遭い混乱したとはいえ、たった一言でもねぎらいの言葉があれば自分は救われただろう…と悲鳴嶼。
そして、そのまま殺人の罪で投獄されてしまう。
そんな悲鳴嶼を救ったのがお館様だった。
それ以来、悲鳴嶼は人を心から信じられなくなり、疑い深くなってしまった。
炭次郎のことも疑っていたが、素直でひたむきな姿を見て特別な子供だと感じたと話す。
その言葉に、涙を流しながら感謝の言葉を述べる炭次郎。
悲鳴嶼に頭を撫でられ笑顔を見せる炭次郎の姿に、沙代の姿が重なる。
「私の訓練は完了した…よくやり遂げたな…」
悲鳴嶼は柔らかく笑い、炭次郎をねぎらうのだった。。
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