アクタージュ:第51話「立ち方」あらすじ
※2019年2月4日発売週刊少年ジャンプ掲載
この記事にはネタバレが含まれておりますのでご注意ください
「…おいどうなってんだあいつら」
亀太郎は阿良也と景が動かなくなってから30秒は経っている、と心配をし始める。
そして、阿良也は分かるがなぜ景まで微動だにしないのかと呟く。
その頃、黒山も全く同じ疑問を抱いていた。
ようやく阿良也が立ち上がれなくなっていることに気づく劇団員たち。
そうなると、舞台を無事に終わらせるには景が阿良也を振り払って別れを告げるしかない。
しかしそれは、景に巌を見ている阿良也には残酷すぎる、と七生。
その時、景の腰にしがみついている阿良也が、景の顔を見上げる。
景は巌との会話を思い出していた。
景「罪滅ぼし?」
巌「ああ…そうだ」
巌は、昔一人の女優の役者人生を絶ってしまったことから、芝居で役者を救える演出家になろうと決意し、劇団天球を立ち上げたのだと話す。
才能などは関係なく役者という人生が必要な者たちを集めたが、周りの人々からは理解されなかった。
「芝居で人を救いたいなどくだらないエゴイズムだと言われ、その通りかもしれないと思った日もあった」
そんな巌の言葉に、「でも皆、ちゃんとキラキラしてる。巌さんのおかげで」と返す景。
「…それは俺が死んだ後に分かることだ」
そう呟き、「芝居って何だと思う?」と景に問いかける巌。
景「お芝居は…誰かと出会わないと演じられなくて、でもいなくなった人との思い出も…お芝居に出来て…」
巌「そう。俺たちはたとえ死んでも一人にはなれない。その幸運に気づくことを芝居という」
病院のベッドに横たわる巌の姿。
景の腰にしがみつきながら、顔を上げる阿良也。
ただ
どんなに大切でも
声をかけたくても
死者は口を開けない
生きている奴らで気づくしかない
だから俺たちは
信じるだけでいい
役者を信じることだけが
演出家の仕事だから
「阿良也」
モニターで舞台の様子を見ていた亀太郎は阿良也に語りかける。
やる気のない素人のガキが巌さんに気に入られて、いざ芝居を始めたらすごい勢いで化けて、その姿に巌さんは喜んでいて…悔しかったけれど、それと同時に尊敬もしていた。
「だから立ってくれよ!」
亀太郎の言葉に、七生やアキラ、その他の劇団員たちも続く。
「立て!阿良也!がんばれ!」
(立てるよ…阿良也)
舞台上の阿良也は、手を差し伸べてくれた巌の姿を思い出していた。
ああ、そっか
”まだ”待っていてくれたのか
やっと思い出した
いつもの立ち方
阿良也は景から離れ、立ち上がる。
『…ああ、よかった』
『僕は行くよ』
カムパネルラの芝居を続ける景。
客席でうつむく星アリサ。
すまないアリサ
とうとう何の償いも叶わなかったというのに
俺はこんなにも幸せに満たされている
せめて最後に”遺してゆく”よ
いつかお前が
おれの「作品たち」に
救われる日がくるように
「ピーーーーーーー」
病院のベッドに横たわる巌の心臓が
止まる。
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